九州~岡山~東京~岡山~九州


5月 阿蘇から東京の福川さんに電話を入れると展覧会の会場が決まったとの嬉しい話。
ところがもうひとつ問題が残っている。
場所は新宿の小田急デパート11階グランドギャラリーで広さは150坪ほどあり 
この北帰行も展示する大規模なもので
その為にお金を出してくれるスポンサーが必要なのだ。
岡山の倉敷にあるジーンズメーカー「BIG-JOHN」が
スポンサーになってくれるかもしれないとの事で
岡山で合流して話し合いに行こうとの話。
もちろんこの北帰行に乗って、それも3日後だ!!
むろん行くしかない。あわただしく瀬ノ本高原を出発GO!!
別府へ着いて広島行きのフェリーに乗ろうとしたが濃霧のため欠航。
やむなく八幡浜へ。
大州→松山→西条→新居浜と走りに走って15時間運転。
170km移動し夜も明ける頃ようやく丸亀も近くなってきた。
岡山で福川さんと合流し岡山電通へ。
打ち合わせをしてすぐ倉敷の「BIG-JOHN」へ
27kmの道をエンジンふかし13km/hの最高速力で急ぐ。
「BIG-JOHN」は最初北帰行の幌を全部取り換えたいとの話だったが、
社長の尾崎さんの
「この幌には歴史があるからこのままでよい」との一言で
そのままでいい事になった。
コマーシャルの方もひかえめで幌の後部と運転席に
「BIG-JOHN」の今年のテーマAsongofnature〔自然との歌声〕の
ワッペンを入れるだけの簡単なものであった。
これで展覧会が開ける!! 旅のゴールも決まったのだ!!
おまけにジーンズ・サファリ・フトンのシーツまでもらい大感激。
その夜はぐったりと寝りこけ朝オシッコをすると茶色いのが出た。
よほど疲れていたのだろう。

その後打ち合わせの為東京へ。

再び阿蘇へ戻ったのは6月も下旬になっていた。
とうとう旅も3年を過ぎ。
22歳で出発してから26歳になっちまったなあ・・・・・・・。

7月 天草崎津
青い海、入道雲、あちこちに干してあるタコ。天草の印象はいい。
ガソリンスタンドの女の娘はみやげにファンタ2本とメロン一個くれて
途中で出会った娘はいい香りのする白い花と
「なつめ」をいっぱいくれた。
ここ崎津の女衆はだいたい太めのおばさんが多く
町かどのあちこちでワイワイと世間話に夢中で、
時おり「ワッハッハッハッ」「ワッハッハッハッ」と
男も顔負けの豪快な笑い声が聞こえてくる。
また猫がやたら多くもう町中猫だらけ。北海道、東北はカラスが多かったが、
このあたりでは猫がカラスの代わりに魚なんぞの残飯処理をしているのだろう。
波止場では買いもの帰りのおばさんや男たちがあちこちで釣りざおをかたむけている。
夕食はもらったタコを煮て食べよう。

 

天草弁
そんなこと→そげんこつ
暑いねえ→暑かね

 

8月となり九州に別れを告げて山陰路へ。
関門橋を通ってゆきたかったのだが時速50km/h以上でないとダメと断られ、
それではと関門トンネルへ行くとこれ又40km/h以上でないとあかんと言われやむなく小倉港よりフェリーで下関へ渡るはめになった。
関門橋からの景色を見られなかったのは実に残念だった。

 

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